MIHOKO
毎日描く
予備校にいた時の出来事です。
浪人して予備校にいた時、私には技がありませんでした。
つまり一枚の絵として完結した作品が出来なかったのです。
浪人生として致命的です。
ある時、見かねて講師の一人が、私にスケッチブックを買ってくれました。
毎日一枚デッサンを描いて持ってくるようにと言われました。
私は毎日一枚のデッサンを描き持っていきました。
そしてアドバイスをもらいました。
その間一度スケッチブックを電車に忘れてきて、その後手元に戻ってきました。
その時は、思うように描けなくて苦痛でした。
でもコツコツ描くことが大切なんだと言われました。
とても感謝しています。
結局予備校を卒業し、短大を卒業しても思うように描けなくて絵から離れてしまいました。
数十年たって数年前のある時、一枚のデッサンを描いてみました。
すると思ったように描けました。
一番驚いたのは私です。
それから毎日一枚の絵を描きました。
描き続けて今に至ります。
今は、「やらねばならない」という意識は一切なくて「描きたい」という溢れる思いだけになりました。